ぽんたちの、じじばばお絵かき教室の作品展を開いた。先月末から今月初めまで。たった一週間の展示だったが、4年ぶりの開催を待ちかねていてくれたのか、年寄りの友人たちが大勢詰めかけてくれた。
ぽんは、前回4年前の展示会の後に、電車とバスで一時間もかかる街に転居したので、もうこの会を辞めようと思っていたのだが、……。コロナ禍が始まり辞める機会を逸して、続けて来てしまった。二本の杖を突いて月2回のお稽古に通うのはカッコ悪いし、汗だくだくでみっともないのだが。
さらに、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってからは、正気を保てないくらい苦悩しているので、気を紛らわすように、平和を願う絵ばかりを描いて来たのだった。
とうとうこれを、発表できる日が来た!
旧友新友、知人多くの人に案内状を送った。来るだろうと思っていた人は来なかったが、まさか来ないだろうと思っていた F女史がご夫君と来てくれて、その上、大いに感激したと感想の言葉まで書いた手紙をくれた。
彼女は、ポンと同じ団地に住んでいるから、一時間かけて来てくれた。
そして、今日なんとシリアのアレッポで作られたオリーブ石鹸を買って来たからと、絵を見せてくれたお礼にとプレゼントしてくれた。
ぽんは、出品作3枚のうちの1枚にシリアの夜空を描いた。モスクが爆撃されて屋根が無くなり、建物の残骸に丸く縁取られた夜空に、きらりと輝く小さな星々を。いくつもいくつも描いた。これは死んでいった人々の命。
2年前のAP通信社の写真のネット上の画像をもとに描いたものだが、これを見て彼女は内戦が続くシリアの人々に思いを馳せたのだそうだ。
たとえ石鹸一つでも彼らの収益の足しになるかもしれない。
なんと感受性豊かな方だろう。心優しい人なのだろうか。
ああ、こんなことをしてもらえるなんて。
ぽんは、幸せ者。
画家になっちまおうかなあ。